心不全の早期発見と治療


東京大学医学部附属病院・藤生克仁特任准教授のグループは、上段図に示されるような畳み込みニューラル ネットワーク (Convolutional Neural Network; CNN)に心電図を学習させることで、左心室機能障害が良好に検出にできることを示してきました。さらに今回、単一の誘導だけから心不全の重症度を分類するCNN アルゴリズムを開発しました。具体的には、心不全患者 7,865 人の心電図と心不全分類のデータからCNN をトレーニングした結果、左下図のROC曲線に示される精度で、健常およびNew York Heart Association(NYHA)のクラスⅠ、Ⅱ、Ⅲ~Ⅳに分類することが可能となりました。右下図の灰色のヒストグラムは、NYHAⅠに分類されたケースにおいてCNNが心電図のどの時相を見ているかの頻度を示しています。本研究により心不全の早期検出と治療が可能になることが期待されます。
                           
E Hasumi,K Fujiu,Y Chen,Y Shimizu,T Oshima,H Matsunaga,J Matsuda,T J Matsubara,N Fukuma,L Yuxiang,J Sugita,Y Nakayama,A Saga,G Oguri,T Kojima,Y Maru,M Shoda,
I Komuro. Heart failure grading using single-lead electrocardiography, medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2020.10.08.20209700
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